はじめに
「BSならでは」、「BSらしい番組」などの表現で言われることの多い「BS」(=Broadcasting Satellite)。「地上波」とは一味違う番組群が視聴者を引き付けています。そのBS放送におけるCMの重要性とはどんなところにあるのでしょうか。
地上波は、一つの番組を全国で放送する場合、各地域の系列局で放送する形なのに比べて、BSは、1局から放送される番組がそのまま全国で視聴できます。そうしたBSの広告出稿メディアとしての魅力と現状、さらにそのポテンシャルを見ていきます。一般に地上波に比べて認知度が低いと思われるBSですが、その強みや価値を抑えていきます。
◆視聴者の多様でコアな関心を満たすコンテンツの多さ
◆1局で全国の視聴者に届く
◆視聴率1%が約120万人にアピール
◆BS放送視聴者の高いCMに対する受容性
◆地上波との重複接触による広告効果の増強
BS放送CMの視聴率分析
地上波放送は、それぞれの地域の放送局が制作局の番組を放送したり、自局の番組を放送する、という形なのに対し、BS放送は、その局が放送したものがそのまま全国で放送されています。より広範囲な視聴者へのアプローチが可能な媒体です。
BS放送がどの時間帯に見られているのか、データで見てみると「BS9局」(※1)の視聴では、全体の傾向として、19時から22時のゴールデンタイムの視聴率が高いという結果が出ています。BS放送ではこの時間帯に各局が看板番組として報道番組を編成していたり、また人気のスポーツ中継が放送されています。地上波に比べて、比較的フレキシブルに編成が行われ、皆さんも「BSはスポーツ中継を最後まで放送する」というイメージは強いのではないでしょうか。
また、土日では、12時から22時台まで幅広く視聴率が高く、その中でも16時に最高値を迎えます。
※1「BS9局」=無料BS民放局(BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSテレ東、BSフジ、BS11イレブン、BS12トゥエルビ)とNHKのBS1、BSプレミアム(※)を加えた9局。(※2023年12月1日よりNHKのBSはBS1とBSプレミアムは、「NHK BS」に統合されています)データは2021年4-6月ビデオリサーチ調べ。
BS放送の視聴率1%は推計で約120万人(※2)に及びます。全国放送であるBS放送は、各放送エリア単位で放送されている地上波と比べて、同じ視聴率1%でも、より多くの人々に届けられるということになります。
※2ビデオリサーチ全国32地区の推計視聴世帯数・人数を拡大推計マスタから算出(2021年9月29日時点)
拡大推計マスタ;住民基本台帳、国勢調査より推計した47都道府県の人口・世帯数に、ビデオリサーチが実施する視聴率エリア内特性調査の自家用TV所有率を拡大推計してあてはめた全国のテレビ所有世帯数・人数
BS放送のメリット
前項での説明通り、1局で放送するだけで全国にリーチさせることができるというのは、BS放送の大きな強みになります。また、BS放送が全国放送にもかかわらず、放送料が比較的低く、コストパフォーマンスが良いというのも魅力です。
また、ビデオリサーチの調査によると、無料BS民放局視聴者層の8割以上が「今のTVは自分にとって楽しめる」「毎週見るのを楽しみにしている番組がある」と答えており、さらに7割前後の人が「録画して見ることがよくある」「家に帰ってくるとテレビをつける」と回答しています。
また、テレビCMに対しては、「商品名が印象に残る」「新製品の名前を覚えやすい」「新しい商品やサービスが発売されたことを知る」という認知に対する高い評価があり、「商品・サービスに興味がわく」「広告を見聞きして、商品やサービスが目に付くようになる」「欲しくなったり利用したくなることがある」と、興味を持つきっかけになっていると多くの人が答えています。BS視聴者層のテレビへの関与度、受容度の高さがハッキリと数字に表れています。
こうしたBS放送を見る層の「受け入れ態勢」はCMにとって大きなメリットといえます。こうした層に向け、効果的な広告戦略の構築を行うことで、広範な視聴者へのアプローチが可能になります。
BS放送CMの効果的な利用法
地上波放送とBS放送を組み合わせることで、両放送の特徴を活かした広告効果の最大化が狙えます。地上波の特にキー局は、視聴率は高いものの、その分コストも高めになる傾向があります。
一方、BS放送ならコストを抑えながら全国への認知を高められます。地上波局で集中的に認知を高めて、BSでコストを抑えながら全国へ発信していくなどの組み合わせも有効な戦略となります。
テレビCMというと大企業が行うイメージですが、BS放送を利用することで、コストを抑えながら全国へのリーチの機会がグッと高まり、コストパフォーマンス良く市場競争力の強化を図ることができます。
まとめ
視聴者の多様でコアな要求を満たす番組がひしめくBS放送は、全国放送であるというストロングポイントを活かすことで、多くの視聴者にCMを届けることが可能です。
また、ゴールデンタイムや週末の高視聴率の時間帯など、その視聴率と視聴者層を丁寧に精査していくことで、その効果は一層高まります。さらに、BS放送の視聴者は、テレビCM関与が高いというデータもあり、その受け入れ態勢をうまく活かしたいところです。
視聴率1%(=およそ120万人)に届くという大きな価値を活用した広告戦略を行うことで、コストパフォーマンスよく展開ができ、小規模・ベンチャー企業にとっても大きなチャンスになるBS放送による広告。地上波との組み合わせによる効果の最大化も追い求めることも可能です。テレビCMを考えるとき、BS放送の広告プラットフォームとしての可能性を見逃すわけにはいかない、といえそうです。
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