ブランド力アップ!テレビCMの効果と最大限に引き出す方法

テレビCM

はじめに

多くの時間や手間、そして費用をかけて制作したテレビCMでも、その効果が薄かったとなれば大きな無駄遣いとなりますし、最悪の場合は自社のブランドを傷つけるような事態になりかねません。

この記事ではテレビCM効果の最大化、そしてどのようにして商品やサービスのブランド力を高めていくかについて紹介していきます。

テレビCMの効果とブランド力向上の関係性

テレビは日本全国のほぼどの家にもあり、大きな画面で情報発信できることから、テレビCMの効果は絶大です。効果は主に三つに分類することができます。

一つは 認知度向上によるブランドの浸透です。二つ目は 信頼の構築、そして三つ目は購買意欲の喚起による売上向上です。 これらは商品を大きく成長させるための重要な要素であり、WEB広告が浸透した今でもWEBでは得られない効果があるとして、改めて多くの企業がテレビCMの価値を見直し、どう活用すべきかについて検討しています。

テレビCMの効果について(効果的な訴求/演出方法)

では、多くの人が認めるテレビCMには一体どういう効果があるのでしょうか。細かく見ていきましょう。

認知度向上

テレビCMがあらゆる宣伝手段のなかで優位に立つ大きな理由は、発信力・影響力のあるテレビ放送の力を活用できるところにあります。つまり一度にメッセージを届けられる人数、すなわちリーチの規模が大きいため、短期間でも新規の認知を獲得できるのが特徴です。

例えば、企業が取り組む10周年セールなどのキャンペーンや、映画の宣伝、そして新型自動車のPRなど、知名度ゼロの商品やサービスでも、わずか数日のうちにテレビCMを活用すれば日本中へその存在を知らしめることができます。

テレビは視聴人数が多いため、一定数のCMの到達人数(視聴数)を確保しながら、同時に放送時間帯やチャンネル選択をすることで適切なターゲット層に絞ったブランディングや購買意欲を喚起することも可能です。

ふとした瞬間に子供の頃に見たコマーシャルソングが口をついて出たり、CMのキャッチフレーズが蘇ったりしたことはありませんか。テレビの絶大なる認知効果を実感していただける事象かと思います。決して製作費をたくさんかければいいということではなく、適切なメッセージや表現を用いたクオリティの高いCMを製作し放送することで人の心に響くPRが可能となるのです。

では、どうして人はテレビを通じて商品やサービスに好印象を抱いたり、記憶に留めたりするようになるのでしょう。

信頼性の構築

いわゆる民間の放送局は公の電波を使っているため、国の認可ならびに再免許の交付を定期的に受ける必要があります。このため放送法に則った事業を展開し、また、同法に準じて民間放送連盟や各社が定める放送基準に則って放送しています。

このことによりテレビは長年をかけて社会に対する信頼を築いてきました。テレビより古い新聞も長年かかって読者との信頼関係を培ってきましたよね。

放送される番組だけでなく、テレビCMもまた、民間放送連盟や各社の定めた考査基準を満たしたものしか流せないため、テレビ全体の信頼感を増す構成要素となっています。つまり、CM自体も信頼の対象なのです。こうしてCMスポンサーは、テレビCMを通じて信頼のおける企業/商品というイメージを発信し視聴者=消費者の意識に働きかけることができます。

また、繰り返しCMを流すことで刷り込み効果も期待できます。適切なデータや情報が付随し、信頼に足る著名人の起用などの掛け算があれば宣伝効果は一層高まることでしょう。

購買意欲の喚起

テレビCMという広告手法を用いるということは、スポンサーが大勢の消費者にブランドや商品・サービスに対するプラスのイメージを植え付けることができる、そのスタートラインに立てるということを押さえておきましょう。

広告を流すタイミングも重要です。夏場に熱いお茶の宣伝を見ても購買意欲はあまり駆り立てられません。このため、季節や流行といった人に影響を与える外的要因や変化なども先読みしながらCMプランニングすることが大切です。このような人の心理に訴える、季節ごとの期間限定キャンペーンや特典をつけるCMが増えるのもご理解いただけることでしょう。

また、商品自体が魅力的に見えても他社の類似製品との違いがうまくアピールできなければ競合に勝てません。このため、自社の商品やサービスの特徴をよく見つめ、他社製品にはない優位性を見つけて前面に押し出すことも視聴者の購買意欲の喚起に重要です。

テレビCMの効果を最大限に引き出す方法

テレビ放送がはじまって70年あまり経ちますが、未だにCMの表現方法は進化しています。しかし、ここではまず基本をおさえることにします。

ターゲット層を明確にする

テレビCMの効果を引き出すには商品やサービスのターゲット層を明確にすることが重要です。商品やサービスとCMの視聴ターゲットのミスマッチは、訴求したい消費者にメッセージを届けられずに不幸な結果を招きかねません。ターゲットは年齢層、性別、地域、興味・関心事などの属性から絞り込むのが分かり易いでしょう。

注意しなければならないのは、どこまでターゲットを絞り込むのかということ。商品のターゲット層そのものずばりではなく、もう少し広い視野を持ってターゲットを想定することが大切です。たとえば、小学生向けの商品だとしても買うのが親であるならば30代や40代の親の気持ちにもなってCMを作らないといけません。

さらに多くの消費者が使う一般消費財と、限られた消費者しか使わない商品とではCMを流すべきチャンネルや番組、そして時間帯が変わります。商品やサービスのターゲット層に合った適切な放送時間帯やチャンネルの選択を行うべきでしょう。

話題性を狙う

テレビを見ている人の注目を自社製品に集めるにはどうしたらいいか。話題づくりも重要です。

CMキャラクターが踊っているのと同じように踊ってくださいと呼びかけて動画のコンテストを開いたり、自社商品を美味しそうに食べているペットの動画を募集して新たなCMに使用して成功した事例や、物語仕立てのCMを作って「このつづきはHPで」と言ってスピンオフ動画を見てもらうことによって自社サイトへ誘導したなんて事例もあります。

SNSなどの他の媒体と連携した立体的なキャンペーンを張るのも一般的な手法となっています。ただ、予算が限られる場合もあるので身の丈に合ったプランを検討するのが良いでしょう。

また、CMの顔にすえる出演者は世間の好感度と信頼度が高いことに加え話題性もあると視聴者の心をつかみやすくなります。認知度が高いということで言えばタレントだけでなく、最新のスポーツイベントで活躍した人を起用する事例も多くみられます。

CM出稿する番組が決まっていれば、番組と同じ出演者を起用することで訴求効果が高くなると言われています。ただ、話題の人や人気のタレント、俳優は取り合いですし、出演料も高くなりがちです。誰もがキャスティングできるわけではありません。身の丈に合ったキャスティングをお奨めします。アイディア次第では、出演者以上の話題性を獲得することが可能です。

独自性を打ち出す

企業が発信するテレビCMは大きく分けて、商品やサービスの売上向上を目的としたものと、企業のブランディング向上を目的としたものと2種類があります。各社は独自性を打ち出すため、様々な手法を用いて他社にはない優位性のアピールをしています。

CMのプレゼンターは、そもそも信頼があり好感度の高いタレントを起用するというのが前述させていただいたところですが、長期的な視点に立ち、タレントではなく、敢えて企業の顔となる創業者や社長を売り出すことがあります。既に会社の顔となる人がいれば、その人の存在だけでCMに強烈な独自性をもたらすことができます。CM制作費も出演料以外のところに振り分けられるメリットがあります。

商品もまた世の中で知られているか否かによって込めるメッセージが変わってきます。新たな商品を打ち出すには、機能を訴求する、イメージを訴求する、もしくはインパクトで記憶に残すなどの選択肢が考えられます。お馴染みの商品であれば、毎回、その機能の説明に時間を割く必要がなくなり、他者にはない新たな情報を込めることが可能となります。

CMの長さも重要な要素です。

一般論として、15秒のテレビCMはメッセージを込める時間が短くなる分、競合他社との差別化が難しいとされ、商品の機能やサービスの細かい中身に入り込むことなく、メッセージはシンプルで印象に残るキャッチコピーや映像の工夫が必要となります。独自のコンセプトやキャラクターなど、インパクトのあるアイディアが思いつけばしめたものです。

また、競合他社と比較して独自の機能やサービス、そして企業としてのメッセージの優れた点をアピールしたい場合は、15秒よりも30秒あるいはそれ以上の長尺のテレビCMの方がメッセージを伝えやすい場合があるので、自社商品のイメージ戦略に何を付加すべきか、それを表現するにはどのような長さのCMの長さが適切なのかについて検討してみましょう。

テレビCMの効果が出ない原因

せっかく予算と労力を割いて作ったCMでも効果が出ないことがあります。ここでは効果が出ないCMとその原因について紹介します。

ターゲット層の不明瞭さ

テレビCMのコンセプトを考える際に先ほど触れたターゲットの絞り込みが甘いとターゲット層が広くなり、メッセージが伝わりにくくなります。

同様にターゲットのニーズに合わない切り口でCMを製作しては、折角の商品も記憶に残らず、訴求力も削がれます。繰り返しになりますが、今一度、ターゲット層の関心事や悩みを解決するCMになっているか、初歩的ではあるものの極めて重要な要素ですので点検してください。

伝わらないメッセージ

テレビや映画は、視覚や聴覚に訴える、表現の「総合芸術」と言われています。どんな映像を撮るのか、どのようなカットをどんな長さやテンポで積み重ねるのか、どんな配役にするのか、どんな衣装や舞台美術を用意するのか、どんなセリフやナレーションを入れるのか、どんな音楽を流すのか、などなど様々な要素が組み合わさってひとつの表現となるからです。CMも構成要素の選択肢は無限にあります。

そんな中で、どんなメッセージを伝えたいのか…というのが、CMにおける最重要ポイントです。テレビCMでは、プロのコピーライターを起用し、核となるメッセージであるキャッチコピーを作ることが多くなります。しかし、プロといえども、ハマるときもあれば、そうでないこともあります。

CM製作を依頼するクライアントとしては、その見極めが大切です。たとえば敢えて狙っているのでなければ、難解な映像構成や言葉づかいを避けるべきでしょう。独自性を狙うとドンドン深みにはまって難解になってしまうことがあります。独自性≠難解なことということをおさえましょう。また、訴求したいポイントは明確にしましょう。曖昧だといいCMになりません。何を伝えたいかよく吟味してから打ち合わせに臨むべきでしょう。

伝えたいメッセージやキャチコピーが明確になったあとも、演出のテイストや音楽が全体イメージとマッチしていなければちぐはぐな印象のCMになりかねません。CM製作は構成要素が多い分、大勢の人が関わります。一度走り始めたら方向修正が難しいものなので、最初にコンセプトワークをしっかり行い、核となるイメージやメッセージをしっかりと共有しておくことが肝要です。CMに込めたいメッセージを視聴者にしっかりと伝えることを意識しましょう。

効果測定と改善

テレビCMは効果測定が難しいと言われ、直接的な効果が測りにくいと言われることがあります。たしかにインターネットにつながっていないという意味でオフラインメディアと言われ、インターネットのバナー広告のようにクリック数が調べられないなどと言う人がいますが、最近は自社が保有するデータや検索サイトで公開されているデータなどから広告効果を分析することも可能となっており、これら客観的なデータを活用しながら、CM出稿開始後にPDCAを回してCMの中身を改善しながら出稿していくというやり方も増えています。

テレビCMの効果を測定し、改善策を検討

1950年代から米国や諸外国で使われている重回帰分析という手法で、インターネットやテレビのオンライン・オフラインの区別なく、また天候や様々なファクターや世の中の出来事なども加えて統合的に分析して、どの媒体やどのような要因が本当に商品の購買やサイト来訪に寄与したのかを調べることが可能です。

日本ではまだ主流になっていませんが、海外の巨大IT企業もこの手法を用いて自社の広告効果を分析していると言われています。これらの分析手法により、テレビの広告効果はインターネット手法と比較してもかなり効果が高いことが分かっています。たとえば、先ほど触れたネット上のバナー広告も、テレビCMによって信頼感が高まったからこそ、クリックされるようになった…ということがあり得ますよね。

では、一般的な広告効果を分析する手法をご紹介します。

もっとも一般的なのは自社の公式ホームページへのアクセス数と売上などの指標を組み合わせて分析する手法です。そのためには、予めWEBアクセス数が増えることを見越してCMをつくり、来訪を検出できるよう分析ツールを準備しておくことが必要です。無料ツールとしては、GoogleトレンドやGoogle Analyticsなどがありますが、色々あるので調べてみるといいでしょう。店舗への来訪や購買データを集計できるようにしておくことも必要です。

分析の準備が整ったら、CMが流れる時間帯や見ている視聴層によって、どのような違いがあるのかを見ていくことができます。これらによってCMの放送する時間帯やある程度の期間にわたり流すCMであればCMの作り自体を改善することも可能です。

まとめ

さて、ここまでテレビCMの効果をどのように最大限に高めるか、そしてそれがどのようにブランド力アップにつながるのかについて紹介してきました。

まとめると、テレビCMの効果として、認知度向上、信頼性構築、購買意欲喚起などが挙げられます。

そして、効果を最大限に引き出す方法として、ターゲット層の明確化、独自性の打ち出し、話題性を狙った取り組み、効果測定と改善が重要となります。

これらの方法をフル活用し、テレビCMを継続していくことでブランド力を向上させることが期待できます。

なお、Sales Guideでは、番組の企画書をはじめ、通販やイベントの企画書や事例、そして初めてCM出稿を考えている方のためのガイドブックも掲載しています。広告出稿をお考えの方や、テレビ広告で効果が出ないなど課題をお持ちの企業様はぜひお気軽にご相談ください。

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