「CM考査」って何?テレビCM放送前の“審査考査”を徹底解説!

テレビCM

CM考査とは?

概要

テレビ各局にはCMに関する考査基準があり、その基準を満たしたCMが放送に至っています。考査の基準はどんなところにあるのか、CM考査の重要性とCM放送のために必要な手続き、基本的な流れを押さえていきます。
そもそもCM考査の中で、テレビ局が重要視しているポイントはなんなのか。各テレビ局によって考査基準は異なるのか、考査のプロセスの構造も見ていきます。

CM考査の必要性

CM考査とは、テレビCMを届ける企業(広告主)に関する業態やサービス内容、さらにCMそのものの表現内容が放送基準などに抵触していないか、放送の可否を判断することです。
主に一般社団法人 日本民間放送連盟の放送基準や、テレビ各局独自の基準によって考査されます。

広告主の業態やサービス内容を確認する「業態考査」と、広告内容に虚偽・誇大な表現がないか、視聴者に不快を与えるものではないか、などがチェックされる「素材考査(表現考査)」があります。こうした考査がしっかり行われることによって、テレビCM=信頼度の高い情報、というとらえ方が定着し、テレビCMで流れる商品や企業の信頼度をUPさせることにもつながっています。

CM考査を行う理由は主に下記です。
◆公共性:公共の電波を使用するテレビCMの社会的影響
◆誤認の防止:視聴者に誤った情報を伝えないための基準確認
◆企業イメージ保護:誤った情報の放送によるイメージ毀損のリスク回避
◆信用度向上:厳格な基準をクリアしたCMが高い信用度を獲得

CM考査のプロセス

業態考査

「業態考査」とは、広告主の業種や事業内容に関する審査です。業種、商品・サービスの種類、経営状況、法令遵守などを確認します。企業の健全性や信頼性を確認する考査です。

◆提出資料:業種や商品・サービスに関する情報(基本的な会社案内など)、企業情報(登記簿謄本など)他に、広告の対象となる商品そのものや、商品内容を説明する資料などが必要になる場合もあります。審査基準としては、法令、放送基準、テレビ局独自の基準に則っているか、適正な顧客対応をしているかなどです。

なお、消費者庁にクレームが繰り返しある、公序良俗に反すると判断される業態などは業態考査で通らない例になります。

CM素材考査(表現考査)

さらに、そのCMの「表現」に対する考査も行われます。これは放送するCM素材そのものの考査になります。素材考査は一般に1週間から1~2か月ほどかかります。

まず、絵コンテや仮編集段階での考査があり、本編集完成後には、再び考査が行われます。考査されるポイントは、CM内の表現、演出、ナレーション、文字(テロップ)情報のチェックなどです。真実性の確認や法令を遵守しているか、が基本となります。

素材考査が通らない例としては、景品表示法(虚偽・誇大な表示や過大な景品を規制する法律)、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)など法令に違反する恐れのあるもの、暴力シーンなど風紀上好ましくない内容が考えられます。

もし修正の必要があった場合には、不適切な表現の修正、内容の変更に関する指摘(改稿要請)が行われます。改稿要請により修正が入る場合は完成まで1~2ヶ月程かかることもあります。また、甚だしく逸脱する場合はそのCMの放送自体断られることもあります。

CM素材考査(表現考査)の提出資料

提出資料は主に下記のようになります。
◆CM素材:絵コンテ、台本、動画データ等の制作素材
◆根拠資料:商品・サービスの詳細、調査分析結果、価格表など

通常、最初の段階の考査では、絵コンテ、台本、仮編集したCM素材の提出と考査が行われ、本編集完成後、完パケ素材の提出と最終考査が行われます。

禁止されている表現方法

大枠としては、法令を遵守しているか、また放送基準に沿っているか、ということがポイントになります。日本民間放送連盟が定めている放送基準や、その他関連法令に違反する内容の禁止はもちろん、虚偽・誇大など、事実と異なる情報や過度な誇張表現は禁止されます。

また、時代の変化に伴い、放送基準も変わっていきます。以前OKだった表現が現在ではNGということも少なくありません。こうした表現の確認も事前に行うべき必須の作業になります。

CM考査を通過するために

広告会社と協力のうえ、考査基準を十分に理解することが重要です。適切な表現方法を捉えていなければ、CM考査を通過することはできません。

逆にいうと、こうした理解をしっかりと捉えていれば、企業イメージの保護と信用度向上につながっていく道筋は見えるので、考査基準の確認や理解の姿勢を怠らないことが必要です。

まとめ

積み重ねてきたテレビCMの信頼性を確保するという意味でも、放送前の厳格な考査はこれからも続いていくものになります。

テレビCMを制作するうえで、基本的な法令遵守、真実性の確保などはもちろん、時代によって変化する基準や、細かな表現への配慮、確認作業は、広告会社との適切な協力などを行いながら、常に続けていくことが成功のポイントといえそうです。

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